第一章：捜査の始まり
谷口有紀、26歳。婦人警官として警察署に配属されて半年。合気道の有段者であり、正義感に燃える彼女は、幼い頃から性犯罪者をこの手で捕まえることを夢見てきた。連続婦女暴行事件は、そんな彼女にとって初めての本格的な試練だった。
横手町を中心とする住宅街で発生した9件の犯行。深夜、自宅や路地裏で襲われた女性たちの証言は、いずれも犯人の執拗さと残忍さを物語っていた。捜査部長の田中は、犯行現場が円形に広がっていることから、「犯人はこのエリアの中心に住んでいるはずだ」と推理。DNA鑑定の結果も出揃い、犯人の体液から採取されたサンプルが手元にあった。あとは住民全員のDNAを任意で提出させ、照合すれば犯人が特定できるはずだった。
有紀は捜査会議で、田中部長の疲れた顔と鋭い眼光を見ながら指示を聞いていた。「住民から髪の毛一本でもいいからサンプルを集めろ。強制はできない、あくまで任意だ」と部長が言った時、彼女の胸に不安がよぎった。もし犯人が拒否したら？
その不安は現実となった。大杉譲治、38歳。横手町1丁目8番地、朝日荘101号室の住人。独身で職業不明、近隣住民によれば「昼間は姿を見せず、夜になると出入りがある」と怪しまれていた。彼だけがDNA提出を頑なに拒否したのだ。有紀は彼の名前と住所をメモに書き込みながら、確信に近い予感を抱いた。この男が犯人だ。
第二章：策略の立案
捜査チームは次の手を模索していた。田中部長が言った。「大杉が怪しいのは明らかだ。だが、DNAがなければ逮捕は無理だ。何か方法を考えろ」
「家宅捜索はどうでしょう？」と若手刑事が提案したが、「証拠が足りない」と却下された。そこで有紀が口を開いた。
「私が接触します。DNAを入手する方法を考えます」
「危険な真似はするな」と田中が釘を刺したが、有紀は「合法的な範囲でやります」と押し切った。
その夜、監視チームから報告が入った。「大杉がデリヘル嬢を呼んだらしい。女が朝日荘に入るのを見た」と。閃いた有紀は、偽のデリヘルチラシを作成した。「天使の涙」という店名で、電話番号は秘匿回線。ピンク色の派手なチラシに過激な文言を並べ、大杉の郵便受けに忍ばせた。後は電話を待つだけだ。
第三章：接触
夜9時過ぎ、電話が鳴った。有紀は緊張を押し殺し、受話器を取った。
「もしもし、郵便受けにビラが入ってたんですか」と低く掠れた声。
「こちらはデリヘル天使の涙です。いつもありがとうございます」と明るく返した。
「これからすぐ来てもらえますか」
「はい、大丈夫です。住所を教えてください」
「横手町1-8、朝日荘101号室。大杉譲治です」
間違いない。容疑者本人だ。「30分ほどで伺います」と告げ、電話を切った。
有紀は署で準備を始めた。黒のミニスカートに赤いオフショルダートップス。アイシャドウを濃く塗り、口紅を深紅に。髪を軽く巻き、甘い香水を纏った。鏡に映る自分は別人だった。捜査車両で朝日荘近くまで行き、路地を歩いて101号室の前へ。郵便受けに「大杉」の文字を確認し、深呼吸してドアをノックした。
ドアが開き、大杉譲治が現れた。やせ型で目がギラつき、薄い髪と無精ひげが特徴的。部屋はタバコと汗の匂いが混じり合っていた。
「はじめまして、よろしくお願いします」と有紀が笑顔で言うと、「早かったな。名前は？」と大杉がニヤリと笑った。
「永田保奈美です」と偽名を口にした。
「可愛いね。こんな子がデリヘルなんて、どうして？」と大杉が興味を示した。
「アメリカに留学したくて、学費稼ぎです。演劇を勉強して、国際的な女優になりたいんです」
「感心だな。昼間は何してる？」
「コンビニでバイト。一人暮らしなんで、生活費も必要で」と適当に話を合わせた。
第四章：罠の中へ
会話中、有紀は部屋を見回した。飲みかけのコップがあれば唾液が採れるかもしれない。だが、大杉が彼女の視線に気づいた。「ごめん、今すぐ飲み物を出すよ」と立ち上がり、冷蔵庫から麦茶のペットボトルを取り出し、グラスに注いだ。「これしかないけど、我慢して」と渡してきた。
「私、麦茶大好きなんです。ありがとう」と受け取り、一口飲んだ瞬間、苦みが広がった。薬か？ 不安がよぎったが、引き返す選択肢はない。
「セックスは好きな方？」と大杉が切り出した。
「好きじゃなかったら、こんな仕事しませんよ」と軽く笑った。
「どんなプレイしてるの？」
知らないことを聞かれ、「お客さんのご要望次第です」と誤魔化した。
「俺、変わった趣味があってさ。目の前でオナニーしてほしい。女がやってるのを見ながら、俺も自分でやるのが好きなんだ。普通のセックスより興奮する」
有紀は嫌悪感を覚えたが、「変態ですね」と冷静に返した。
「変態だな。やってもらえるよね？」
「やるしかないですよね」と苦笑した。
第五章：官能の深淵
大杉が「パンティーを脱いでくれ」と命じ、有紀は黒いフリルのパンティーをゆっくりと下ろした。布が太ももを滑り落ち、冷たい空気が露わになった秘部に触れると、彼女の肌に小さな鳥肌が立った。パンティーを大杉に渡すと、彼はクロッチの湿った部分に鼻を近づけ、深く息を吸い込んだ。「若い女の匂いはたまんねえな」と低い声で呟き、その目がギラギラと輝いた。有紀は内心で嫌悪感と馬鹿らしさを覚えたが、証拠を手に入れるため、我慢するしかなかった。
「そこに横になって、足を広げて」と大杉が指示し、有紀は床に仰向けになった。膝を立て、ゆっくりと股を開くと、スカートの裾が自然にずり上がり、秘部が剥き出しになった。冷たいフローリングが背中に触れ、羞恥と緊張で心臓が激しく鼓動した。薬のせいか、下腹部に熱い疼きが広がり、抑えきれず太ももが微かに震えていた。
「高校は女子校だったろ？」と大杉が言い当て、有紀は「はい」と掠れた声で答えた。「セーラー服着て、大人しそうだから、痴漢に遭ってたんじゃない？ 毎日同じ奴に狙われて、スカートをめくられたり、オマンコ触られたり」と畳み掛けてきた。彼女の過去が暴かれ、心が乱れた。中学から高校まで、毎朝電車で痴漢に遭い、スカートの中に手を入れられた忌まわしい記憶が鮮明に蘇った。それが婦人警官を志した原点だった。
「今、痴漢に触られてるって想像しろ。後ろからお尻を撫でられて、スカートをめくられ、パンティーの中に手が滑り込んでくる」と大杉が囁いた。有紀は目を閉じ、記憶と現実が混ざり合い、身体が勝手に震えた。
「オマンコ触って、どうなるか確かめろ」と命じられ、有紀は恐る恐る右手を下ろした。指先が秘部に触れた瞬間、鋭い電流が背筋を駆け上がり、腰がビクンと跳ねた。薬の効果で感度が高まっているのか、普段なら感じないほどの強い刺激だった。彼女は中指を肉ひだに沿わせ、そっと上下に動かした。濡れた感触が指に絡みつき、くちゅっと小さな水音が響いた。クリトリスに触れると、鋭い快感が脳天まで突き抜け、思わず「あっ」と短い喘ぎが漏れた。
指の動きを速めると、蜜が溢れ出し、太ももの内側を伝ってフローリングに滴った。彼女の呼吸が浅くなり、胸が上下に激しく波打った。薬のせいで頭がぼうっとし、羞恥心が薄れていく。左手で自分の乳房を掴み、硬くなった乳首を摘むと、さらに強い快感が全身を貫き、腰が勝手にくねった。「どうなってる？」と大杉が問うと、「ぐちょぐちょに濡れてます……熱くて、疼いてます」と掠れた声で答えた。自分で触っているだけなのに、こんなに感じるのは初めてだった。薬の効果だと気づいたが、抗う力は既に失われていた。
「いやらしい子だ。いつもこんなに濡れるのか？」
「こんなの初めてです……本当に」と必死に訴えたが、大杉はニヤリと笑った。「もっと気持ちよくなりたいだろ？」
「もうどうにでもしてください」と有紀は投げやりに呟いた。
大杉は有紀をベッドに押し倒し、荒々しく唇を重ねてきた。舌が口内に侵入し、唾液が混じり合うぬるりとした感触に、彼女の頭がさらに朦朧とした。彼の手がトップスをたくし上げ、ブラをずらすと、柔らかな乳房が弾むように露わになった。大きな手で揉みしだかれ、乳首が硬く尖ると、大杉は唇を離し、赤く充血した先端を口に含んだ。舌先で転がされ、強く吸われるたび、有紀の喉から「んっ、あぁ」と切れ切れの喘ぎが溢れた。乳首から走る快感が下腹部に響き、秘部がさらに熱くなった。
彼の手がスカートの下に滑り込み、太ももの内側を撫で上げた。指先がクリトリスに触れると、微細な震動を与えながら円を描くように擦り、有紀の腰が跳ねた。「はぁっ」と声が漏れ、蜜がシーツを濡らした。大杉は中指を彼女の中に沈め、ゆっくり出し入れしながら内部の柔らかな壁を掻き回した。濡れた音が部屋に響き、有紀の意識が遠のいていく。やがて彼は顔を下げ、舌で秘部を舐め始めた。肉ひだを広げ、クリトリスを軽く吸いながら舌先で弾くと、彼女の身体がビクビクと痙攣した。「どうだ、もっと気持ちよくなりたいだろ？」と囁かれ、「好きにしてください」と喘ぎ混じりに答えた。
大杉は有紀の両膝を持ち上げ、大きく広げさせると、硬く勃起した自身を秘部に押し当てた。熱い先端が濡れた入り口に触れ、ぬるりと滑り込む感触に、有紀は息を詰まらせた。ゆっくりと侵入してくる異物感に、彼女の内壁が締まり、圧迫感と同時に鋭い快感が全身を貫いた。「あぁっ」と喉から声が漏れ、身体が仰け反った。彼が根元まで沈めると、下腹部が満たされる重さと熱さに、有紀の指先がシーツを掴んだ。内部を擦られるたび、粘膜が絡み合うぬめった音が響き、彼女の腰が勝手に彼に合わせるように動いた。
大杉はゆっくりと腰を動かし始め、有紀の反応を見ながらリズムを刻んだ。浅く突いては深く沈め、彼女の内壁を擦り上げるたび、鋭い快感が下腹部から背筋を駆け上がった。「んっ、はぁっ」と喘ぎが漏れ、胸が上下に揺れた。薬の効果で感度が異常に高まり、普段なら感じない微細な動きさえも強烈な愉悦に変わった。大杉が動きを速めると、突き上げられるたびに彼女の身体が跳ね、乳房が激しく揺れた。「いいオマンコだ。よく締まって最高だぜ」と彼が呻き、さらに深く腰を打ち付けてきた。
快感が頂点に近づくにつれ、有紀の意識が白く染まった。内部を激しく擦られ、クリトリスに響く振動が重なると、熱い波が下腹部から全身に広がった。「あぁっ、もう駄目っ」と叫び、身体が硬直した瞬間、強烈な絶頂が彼女を襲った。秘部が痙攣し、蜜が溢れ出し、大杉の動きに合わせてびくびくと震えた。「逝く、逝く、逝く――」と喘ぎが絶叫に変わり、快感の波が何度も押し寄せた。目から涙が溢れ、シーツを濡らした。それは屈辱と安堵、そして異常な悦びが混じり合った涙だった。これでDNAは確保できた。
第六章：逮捕と残響
翌朝、有紀は大杉の体液を鑑識に提出した。鑑定結果は予想通り、連続婦女暴行事件の犯人のDNAと完全に一致した。逮捕状が発行され、午前10時過ぎ、捜査チームは朝日荘に突入。大杉譲治は抵抗する間もなく身柄を確保され、手錠をかけられて連行された。そのギラついた目が一瞬有紀と交錯したが、彼女は無表情で彼を見据えた。警察署に戻り、報告書を書き終えた有紀は、疲れ果てた身体を椅子に沈めた。正義は果たされた。9人の被害者のために戦った自分を誇りに思うべきだと、頭では分かっていた。
だが、その夜、自宅アパートに戻った有紀を襲ったのは、予期せぬ感覚だった。シャワーを浴び、熱い湯で身体を洗い流そうとした時、下腹部に熱い疼きが蘇った。あの夜、大杉に挿入された時の感触が現実のように甦ってきた。硬く熱い異物が彼女の中に滑り込み、内壁を擦り上げるぬめった感触。ゆっくりと沈み込み、彼女を満たした重さと圧迫感。そして、突き上げられるたびに全身を貫いた鋭い快感――。シャワーの水音に混じって、記憶の中の自分の喘ぎ声が耳に響き、有紀は思わずシャワーヘッドを落とした。
「あぁっ」と小さく呻き、慌てて湯を止め、浴室の壁に手をついた。心臓が激しく鼓動し、呼吸が乱れた。薬の効果がまだ残っているのか、それともあの夜の出来事が脳と身体に深く刻み込まれたのか。鏡に映る自分の顔は蒼白で、濡れた髪が額に張り付き、瞳が不安げに揺れていた。「やめてくれ」と呟きながら目を閉じたが、記憶は消えなかった。ベッドに押し倒され、秘部を犯され、快感に抗えず絶頂に達した瞬間が、繰り返し頭の中を巡った。
その後も、日常の中でその感覚は不意に蘇った。署のデスクで書類を整理している時、太ももが震え、下腹部に熱が広がる。電車に乗れば、痴漢に遭っていた過去と大杉の行為が重なり、スカートの下に手を入れられたような錯覚に襲われた。夜、眠りに落ちる直前には、あのぬめった音と自分の喘ぎ声が耳元で響き、汗に濡れた身体で飛び起きることもあった。彼女の体は、大杉に汚された記憶を忘れられず、まるでその感触を刻み込まれたかのように反応した。
大杉の逮捕から数日が経ったある夜、有紀は自宅のベッドに横たわり、天井を見つめていた。疲れからか、それとも無意識の衝動か、彼女の手が自然に下腹部へと滑った。指先が秘部に触れると、あの夜と同じ熱と濡れを感じ、思わず息を呑んだ。そっと肉ひだをなぞると、ぬるりとした感触が指に絡みつき、身体がビクンと反応した。「駄目だ」と呟き、手を引っ込めようとしたが、記憶がそれを許さなかった。
大杉に挿入された瞬間が鮮明に蘇った。硬い先端が秘部に押し当てられ、濡れた入り口を割り開いて滑り込む感触。ゆっくりと沈み込み、内壁を押し広げる圧迫感と熱さ。そして、腰を動かされ、内部を擦り上げられるたびに響いた鋭い快感――。有紀の指が勝手に動き始めた。中指を秘部に沈め、記憶の中の大杉の動きをなぞるように出し入れした。くちゅくちゅと濡れた音が響き、彼女の呼吸が浅く速くなった。左手で乳房を掴み、硬くなった乳首を摘むと、鋭い刺激が下腹部に響き、腰が勝手にくねった。
「あぁっ」と喘ぎが漏れ、彼女は目を閉じた。頭の中では、大杉が彼女を突き上げる映像が繰り返され、薬で高まった感度が再現されるかのように身体が熱くなった。指の動きを速めると、蜜が溢れ出し、太ももの内側を伝ってシーツを濡らした。クリトリスに触れると、電流のような快感が全身を貫き、「んっ、はぁっ」と声が抑えきれなくなった。あの夜、彼に犯され、絶頂に達した瞬間がフラッシュバックし、有紀は止めようとしても止められなかった。
「やめなきゃ……駄目なのに」と呟きながら、指がさらに深く沈み、内部を激しく掻き回した。記憶と現実が混じり合い、大杉の低く掠れた声が耳元で囁く。「いいオマンコだぜ、最高だ」と。あの言葉が彼女を追い詰め、快感が頂点に達した。「あぁっ、逝く、逝く――」と叫び、身体が硬直した瞬間、強烈な絶頂が彼女を襲った。秘部が痙攣し、蜜が溢れ、太ももがビクビクと震えた。快感の波が何度も押し寄せ、彼女はシーツを掴んで喘いだ。
だが、それで終わりではなかった。翌晩も、その次の晩も、有紀は同じ衝動に駆られた。合気道の道場に通い、汗を流して身体を鍛え、記憶を上書きしようと努力した。被害者たちの顔を思い出し、「私がやらなければ、もっと多くの人が苦しんだ」と自分を励ました。鏡の前で自分を睨みつけ、「私は婦人警官だ。こんなことで折れてたまるか」と言い聞かせた。しかし、どれだけ抗おうとしても、夜が訪れるたび、大杉に挿入された時の感触が蘇り、彼女を支配した。
毎晩、ベッドに横たわると、身体が疼き始め、手が自然に秘部へと伸びた。初めはただ感覚を再現するだけの衝動だったが、次第に彼女の心は別の方向へ流れ始めた。自分が再び「永田保奈美」となり、デリヘル嬢として知らない男のアパートを訪れる姿を想像し始めたのだ。彼女はドアをノックする自分を見た。男に迎え入れられ、服を脱がされ、求められるままに身体を預ける。その妄想の中で、彼女は客の男に「可愛いね」「最高だよ」と言われ、その言葉に心が震えた。現実では婦警として正義を貫く自分なのに、夜になると別の自分が目を覚ます。彼女は混乱した。「私、何を求めているの？」
有紀は日中、婦警としての自分を保とうと必死だった。警察署で被害者の供述を聞き、書類を整理し、次の事件に備える。その間、彼女は自分を律した。「私は谷口有紀だ。正義のためにここにいる。」だが、心のどこかで別の声が囁いていた。「本当はデリヘルで働きたいんじゃない？あの夜の感覚をもっと味わいたいんじゃない？」その声が聞こえるたび、彼女は首を振って否定した。「違う。私は痴漢を捕まえるために婦警になったんだ。あんな過去を繰り返さないために。」
しかし、否定すればするほど、その声は大きくなった。あの夜、大杉に触れられたとき、薬の影響とはいえ、彼女の身体が快感に震えたのは事実だ。任務とはいえ、自分の一部がそれを楽しんでいたのではないか――そんな考えが頭をよぎるたび、彼女は恐怖に襲われた。「私がそんな女だったなんて…ありえない。」だが、心の底では別の感情が芽生えていた。あの支配された感覚、あの無力感が、どこか懐かしく、心地よいものに感じられたのだ。
夜ごと、有紀の妄想はさらに深みを増した。彼女は「永田保奈美」として、知らない男のアパートを訪れる自分を想像した。ドアが開き、男が彼女を招き入れる。男の顔は毎回異なり、時には優しげなサラリーマン、時には汗臭い労働者だった。彼女は彼らの欲望に応え、褒められ、求められることに奇妙な充足感を覚えた。現実では味わえない自由が、そこにはあった。婦警としての自分はルールと責任に縛られているが、「永田保奈美」にはそんな枷がない。彼女は妄想の中で解放され、別の人生を生きていた。
「どうして……私がこんな目に」と呟きながら、有紀は毎晩の行為に溺れた。頭では正義を貫いた自分を誇りに思うべきだと分かっていたが、身体は大杉の記憶に囚われ、彼女を苦しめた。その衝動は、有紀をさらに危険な決断へと導いた。身体が求める快感を抑えきれず、彼女はデリヘル店の面接を受けるだけでも受けてみようと思った。週に一回程度なら婦警としての仕事に支障はない。話を聞くだけきいて駄目なら止めればいい。あの夜、大杉に犯された時の快感を再現し、記憶を現実で塗り替えることで、トラウマを克服できるのではないか。そんな歪んだ希望にすがり、彼女はネットで調べたデリヘル店の求人に連絡を取った。
第七章：深淵への転落
数日後、有紀は繁華街の裏路地にある雑居ビルの一室で、デリヘル店の面接を受けた。黒いミニスカートと薄手のブラウスに身を包み、化粧を濃く施した彼女は、かつての婦人警官とは別人だった。面接官は中年の男で、タバコの煙を吐きながら彼女を品定めするように見つめた。「経験は？」と聞かれ、「少しだけ」と曖昧に答えたが、男はニヤリと笑った。「まあ、顔と体があれば稼げるよ。名前は？」
「永田保奈美」と偽名を口にした。
面接は順調に進んだかに見えたが、男が突然質問を変えた。「身分証見せてくれ」と言われ、有紀は一瞬硬直した。偽の身分証を用意していなかった彼女は、返事に困った。男は有紀から強引にバッグを奪うと警察手帳を取り出した、「谷口有紀……世田谷警察署勤務か。婦警が何でこんなとこ来るんだ？」
有紀の心臓が止まりそうになった。「違います、それは……」と弁解しようとしたが、男は立ち上がり、ドアに鍵をかけた。「面白いね。婦警がデリヘル志願か。どうせ何か裏があるんだろ」と低い声で笑い、彼女に近づいてきた。
「やめてください！」と有紀が叫んだが、男は彼女の腕を掴み、ソファに押し倒した。合気道の技で抵抗しようとしたが、男の力が予想以上に強く、腕を背中にねじ上げられ、動けなくなった。「婦警なら尚更楽しめそうだ」と男が呟き、彼女のブラウスを乱暴に引き裂いた。ボタンが飛び散り、薄い布地が破れ、露わになった乳房が冷たい空気に晒された。男の手が荒々しく乳房を掴み、柔らかな膨らみを強く揉みしだくと、乳首が硬く尖り、鋭い刺激が全身を貫いた。ブラがずり下ろされ、男の指が赤く充血した乳首を摘むと、有紀の喉から「んっ」と小さな呻きが漏れた。
男の手がスカートをたくし上げ、黒いパンティーを強引に下ろした。太ももを滑り落ちる布の感触に続き、秘部が剥き出しになると、冷たい空気が濡れた肉ひだに触れ、彼女の身体がビクンと震えた。「やめて！」と叫びながらも、大杉の記憶がフラッシュバックし、身体が勝手に反応した。男がズボンを下ろし、硬く勃起した自身を彼女の秘部に押し当てた。熱い先端が濡れた入り口に触れ、ゆっくりと圧力を加えると、有紀の内壁が抵抗するように締まった。だが、男が腰を押し進めると、ぬるりと滑り込む感触が彼女を襲った。
硬い異物が秘部を割り開き、内部に沈み込む瞬間、有紀の身体が仰け反り、「あぁっ」と掠れた声が漏れた。熱と圧迫感が下腹部を満たし、内壁が擦られるたび、ぬめった音が響いた。男が根元まで沈めると、彼女の秘部が彼を包み込むように締まり、鋭い快感が背筋を駆け上がった。大杉に挿入された時の記憶が重なり、頭が混乱した。男は容赦なく腰を動かし始めた。浅く突いては深く沈め、内部を激しく擦り上げるたび、有紀の腰が跳ね、胸が上下に揺れた。「はぁっ、んっ」と喘ぎが漏れ、蜜が溢れ出して太ももの内側を濡らした。
「いい声出すじゃねえか。婦警のくせにいやらしい体だ」と男が嘲笑い、動きを速めた。突き上げられるたび、彼女の内壁が彼に吸い付き、熱い摩擦が快感を増幅させた。男の手が乳房に戻り、乳首を強く摘むと、鋭い刺激が秘部に響き、有紀の身体がビクビクと痙攣した。快感が頂点に近づくにつれ、彼女の意識が白く染まった。「やめて……お願い」と懇願しながらも、身体は裏切り、快楽に震えた。男がさらに深く突き入れると、内部を擦るリズムが加速し、下腹部から熱い波が全身に広がった。
「あぁっ、駄目っ」と叫び、彼女の秘部が締まり、彼を締め付けた瞬間、強烈な絶頂が彼女を襲った。身体が硬直し、秘部が痙攣して蜜を溢れさせ、太ももが勝手に震えた。「逝く、逝く――」と喘ぎが絶叫に変わり、快感の波が何度も押し寄せた。乳房が揺れ、乳首が疼き、全身が熱に包まれた。絶頂の余韻で息が上がり、彼女の目から涙がこぼれた。それは屈辱と恐怖、そして強制的に引き出された悦びが混じり合った涙だった。
男が満足げに離れると、有紀はソファにぐったりと倒れ込んだ。婦警であることがバレた屈辱と、再び犯された恐怖、そして快感に屈した自分への嫌悪が彼女を襲った。男は「次はお前が客を取る側だ。辞めるなんて言うなよ」と笑い、部屋を出て行った。
有紀は立ち上がる気力もなく、涙を流しながら天井を見上げた。だが、その時、彼女の中で何かが変わり始めていた。今までの出来事を振り返り、彼女は自分を見つめ直した。大杉に犯された夜、毎晩のオナニーで快感を追い求めた日々、そしてデリヘル店の面接での暴行――。婦警として正義を貫こうとした自分は、どこかで既に壊れていたのかもしれない。合気道で鍛えた身体も、警察学校で培った意志も、トラウマと衝動の前には無力だった。
ソファに横たわりながら、有紀は静かに考えた。「私は、こんな体になってしまったんだ」と。婦警としての誇りは薄れ、代わりに自分の身体が求める快感が彼女を定義し始めていた。大杉に刻まれた記憶は消えず、むしろそれを受け入れることでしか生きられないのではないか。デリヘルでの面接で、男に犯されながら感じた悦びは、彼女がずっと抑え込んできた欲望そのものだった。
「私にはこれが一番ふさわしい」と、有紀は呟いた。涙が乾き、彼女の瞳に奇妙な決意が宿った。婦警としての過去を捨て、デリヘル嬢としての新たな人生を受け入れる――それは堕落ではなく、彼女にとっての救いだったのかもしれない。毎晩の衝動を抑えるのではなく、それを仕事として昇華することで、トラウマと向き合えるのではないか。そんな思いが、彼女の心に根付いた。
数日後、有紀は警察署に辞表を提出し、デリヘル店に戻った。面接官の男に「もう逃げない。雇ってくれ」と告げ、彼女は新たな一歩を踏み出した。谷口有紀という婦人警官は死に、永田保奈美というデリヘル嬢が生まれた。彼女の闘いは、正義のためではなく、自分自身を受け入れるためのものへと変わっていた。
6.テレクラに電話して男に呼び出され暴行された女子高生の供述に疑問を抱いた婦警有紀。ためしにテレクラに電話してみることにする。<< ページトップ
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