それから何日待っても、何週間待っても、男からの電話は鳴らなかった。有紀の体は疼き続け、抑えきれぬ熱が心と肌を焦がした。あの男に深く繋がれた感触が、夜ごとに彼女の体に蘇り、眠りを奪った。耐えきれなくなったある晩、有紀は鏡の前で身支度を始めた。前回男と会った時に着たレースの下着とミニのワンピースを手に取り、震える指で身に纏った。夜の六本木の裏通りを一人歩きながら、彼女の心は期待と焦燥で乱れていた。何度か暇そうに歩いていると、見知らぬ男が声をかけてきた。「こんな夜に一人じゃ寂しいだろ？」。顔を上げると、前回の男とは違う、粗野で野性味溢れる男が立っていた。だが有紀はもう、あの男でなくてもいいと思った。体が求める熱に、誰かを選ぶ理性は残っていなかった。
男に誘われるまま、有紀は薄暗いバーへと足を踏み入れた。二人きりになると、男は遠慮なく彼女に近づき、太ももに手を置いて耳元で囁いた。「今まで味わったことのない喜びを教えてやるよ」。その声は低く、荒々しく、彼女の心を揺さぶった。男の目は彼女を値踏みするように光り、彼女の返事を待たずに口説き続けた。「俺ならお前を満足させてやる。どんな男よりもな」。その自信に満ちた態度に、有紀は抗えず、誘いに応じた。男の手が彼女の腕を強く掴み、ラブホテルへと連れ込む時、彼女の胸は期待と不安で高鳴った。
部屋に入ると、男は有紀を壁に押し付け、乱暴に唇を奪った。前回の男の焦らしや繊細さとは違い、彼の動きには躊躇がなかった。彼女のワンピースを一気にたくし上げ、裾を肩まで引きちぎるように剥ぎ取った。レースの下着に目をやり、「こんな可愛いもん着て、誘ってるつもりか」と低く笑った。彼の手は彼女の太ももを強く握り、爪が食い込むほど締め付けながら、下着の縁を乱暴に引っ張った。布が裂ける音が響き、彼女の白い肌が露わになると、男は舌なめずりをするように見つめた。彼は彼女の首筋に顔を埋め、荒々しく吸い付きながら歯を立て、赤い痕をいくつも残した。片手で彼女の胸を鷲づかみにし、指先で頂点を強く摘まんだ。有紀が声を上げると、男は「もっと鳴けよ」と言い放ち、彼女の反応を煽った。
男は彼女をベッドに投げ出すように押し倒し、両膝を力ずくで広げた。彼女の震える体を見下ろしながら、彼はベルトを外し、ズボンを下ろした。汗に濡れた筋肉質な体が露わになり、彼女を圧倒した。彼の手は彼女の腰を掴み、爪が食い込むほど強く締め付けながら、彼女の太ももに舌を這わせた。内側を舐め上げ、軽く噛み付きながら、彼女の震えを引き出した。男は彼女の胸に顔を寄せ、唇で頂点を捉えて強く吸い、舌先で執拗に転がした。もう一方の手は彼女の背中に回り、背骨をなぞるように指を滑らせ、彼女の体を自分の意のままに操った。有紀が喘ぐたび、男は「いい声だ」と満足げに呟き、彼女の羞恥心を刺激した。
男が彼女に深く繋がる瞬間を迎えたとき、有紀はその力強さに驚き、息を呑んだ。彼は一気に彼女の中に入り込み、容赦なく腰を打ち付けた。前回の男の巧みな緩急とは違い、この男は野性的で、荒々しかった。彼は彼女の両腕を頭上で押さえつけ、逃げられないように固定した。腰を激しく動かし、彼女の体を自分のリズムに強制的に合わせた。ベッドが軋む音が部屋に響き、彼女の体は彼の勢いに翻弄された。男は彼女の首に舌を這わせ、汗と熱が混じり合った肌を味わった。彼の動きは止まらず、ある時は深く突き上げ、ある時は角度を変えて彼女の感じる場所を執拗に攻めた。彼女の喘ぎが大きくなると、彼はさらに力を込め、「もっと感じろよ」と低く唸った。
前回の男よりも、この男の女を喜ばせる技は直接的で、圧倒的だった。有紀の体は彼の荒々しさに反応し、期待を超える悦びが押し寄せた。男は彼女の腰を両手で持ち上げ、自分の動きに完全に合わせるように操った。彼女の体が限界に近づくのを感じながら、彼は緩急をつけず、ただひたすらに激しく突き続けた。そして、最後の一撃が訪れた時、男は彼女の腰を強く引き寄せ、全身の力を込めて野性的に打ち込んだ。汗に濡れた体が彼女に覆いかぶさり、その衝撃に有紀の体は震え、歓喜の波が彼女を飲み込んだ。嬉しさで胸が一杯になり、彼女は自分が求めるものを超えた悦びに溺れた。
男に愛される悦びは、相手が誰であっても感じられるものだと、有紀は悟った。彼女は自分の体の淫乱さに呆れながらも、男が替わるごとに悦びが増していく事実に抗えなかった。前回の男の熱も、この男の荒々しさも、どちらも彼女を満たした。ベッドに横たわり、荒い息を整える有紀は、男の腕にすがりついて囁いた。「また誘ってね」。電話を待つ辛さをもう味わいたくなかった。男は汗に濡れた顔を上げ、「お前がそんな気分ならな」と笑い、彼女を縛る気はない様子を見せた。彼にとって、これは一夜の衝動を満たす遊びであり、彼女を自分のものにするつもりはなかったのかもしれない。だが有紀には、それが全てだった。帰り道、彼女の心は�
uき続けていた――新たな男を求める自分が、確かにそこにいた。
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