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翌日から私はデリヘルで働くことになった。
デリヘルのバイトをするようになってからも、旦那の具合は相変わらずで一日中寝ていて起きてるのは夕方だけ。
元気がよくなったのはあのドリンク剤を飲んだときだけだったみたい。
一向によくなる気配はない。
もちろんあっちの方も全然駄目。
デリヘルのバイトには都合がよかったけど、次第に旦那の顔を見るのもいやに成ってきた。
その内先生に言われていた文学賞の締め切りも近くなったので、また原稿の続きを書こうと思ったけどアイデアが浮かばない。
結局自分の体験を書くしかないと腹を決めて、デリヘルで働くようになったいきさつをまとめた。
先生に見てもらった方がいいと思って訪ねていくと先生は私の書いた原稿を一通りざっと読んでくれた。
なんて言うか固唾を飲んで先生の言葉をまっていると「これは駄目だね」と先生に言われてがっかり。
先生には不評だった原稿だけどとりあえず文学賞には送ることにした。
文学賞の発表当日まで出版社からはなんの連絡もなく、諦めた気持ちで当選作を本屋で立ち読みしてみると、入選していたのは美絵子さんが書いた小説。
美絵子さんが先生に弟子入りしたいきさつの話しのあとに、私があとから弟子になった話しが付け足してあり、順子さんがゴードンにレイプされるビデオを見たのは吉本と美絵子さんという設定になってた。
そのあと脅されてデリヘルで働かされる事になるストーリーは私が書いたのと同じ。
先生は美絵子さんが同じストーリーを書いているのを先に読んでいたから、私の書いた小説を「これは駄目だね」と言ったに違いない。
美絵子さんの小説には私の知らない事もいろいろと書いてあった。
私がゴードンに携帯で助けを求めたとき、ゴードンは吉本に近くの障害者用トイレに連れ込まれてフェラチオ輪姦されたらしい。
その最中に私が携帯でゴードンに電話をしてしまったらしくて、それで吉本が携帯に出たのとの話。
ゴードンはそれからもうフェラチオが止められなくて、女子高生の振りをして生フェラ専門のデリヘルでバイトしてるらしい。
順子さんもセーラー服を着て、デリヘルでバイトしてるって事。
それでも吉本と一緒に暮らしてた時より、ゴードンと一緒に成の方が全然幸せだとか。
女心というのは私にもよくわからない。
やっぱり美絵子さんには勝てなかったと思いがっかりした気持ちで家に帰ると旦那の友達が数人来ていてビールを飲みながら上機嫌で騒いでる。
いつもだったら寝てるはずなのに、私の知らない間に旦那は病気が良くなってた見たい。
「俺たち会社を作るんだ、大学の時の友達にも声を書けて、みんなで技術者の理想の会社を作るんだ」
「その会社でインターネットの新しいサービスを始めるんだ。誰でも簡単にホームページで日記が作れて、そのうえGPSで地図が簡単に表示できるんだ。日本じゃ俺たちの会社が最初に手がけるんだ」と旦那が言うのを聞いて私は喜んでいいのか微妙な気持ちで作り笑いを返した。
完
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