目次
１．涙のチアガール
２．突然のプロポーズ
３．フェラチオ狂い
４．痴漢プレー
５．テレホンクラブ
６．ビデオチャットの女
７．人妻チャット調教
８．奴隷調教
９．セクハラ
１０．誘惑
１１．陵辱
１２．痴漢願望
１３．バイブレータ
１４．スケスケネグリジェ
１５．セーラー服
１６．ガーターベルト
１７．不倫疑惑
１８．強制生フェラ
１９．強制レイプ
２０．ランジェリーパブ
２１．温泉調教
２２．ドスケベ女
２３．低周波バイブ
２４．真っ赤なパンティー
チアリーディングの撮影も終えて、一通り機材をバッグにしまい終わると旦那が「見ていきたい所があるから、ちょっと寄って行こう」と言いだした。
囲碁部で公開対局があるので、見に行く約束をしてあるらしい。
ひとまず旦那の顔を立てたほうがいいと思って、芳恵さんと別れて囲碁部の部屋に二人で行く事にした。
階段をあがって広い教室に入ると、超満員でちょうど囲碁の対局の最中。
畳を敷いた即席の対局場には、スーツ姿の女の子が座ってるのが見えた。
旦那が小声で女流のアイドル棋士で有名な中浦二段だと教えてくれた。
そう言えばテレビで何度か顔を見たような気がする。
旦那がこの中浦二段を見たかったらしいと判ってちょっと腹が立った。
中浦二段対局の相手は東大生らしい男の子で、横のパソコンの画面を見ながらマウスを動かしてる。
男の子が使ってるのは東大光速囲碁という名前のソフトで、旦那の後輩の長崎君が作ったソフトだと旦那がまた教えてくれた。
パソコンを動かして中浦二段と対局してるのはその長崎君らしい。
東大光速囲碁は、去年の全日本コンピュータ囲碁大会で二位に入り、今年こそは優勝を目指してるんだと旦那は得意げ。
どうも旦那の関心は、中浦二段ではなくて長崎君が作った、東大光速囲碁のソフトの方らしいと判って私は一安心。
教室の中央では二人の学生が、手作りの巨大な碁盤を前にマグネットの碁石を使いながら解説をしている。
私が見ていてもいったいどっちが勝ってるのか全然分からなかったけど、解説の学生の話では「コンピュータの指す手はてともプロに勝てるような手ではありませんね」とさんざんな言われ方。
中浦二段も最初は適当に手を抜いて打っていたらしく、次第に中浦二段が負けそうになってきたらしい。
旦那はこれは大変な事になるかもと、手を握りしめて固唾を飲んだ。
たとえ公開対局でも囲碁のソフトがプロに勝ったりしたら大変な事らしい。
中浦二段はこれはまずいと思ったのか表情が変わって真剣に気持ちを集中させてきたのが見ていて判った。
きちんと足を揃えて座り直して背筋を伸ばすと、息の仕方も変わった。
額にしわを寄せて目がつり上がった顔は見ていても怖いくらい。
中浦二段が厳しい手つきで取り上げた碁石を碁盤に打ちつける音が教室に響いた。
「これは凄い手ですね」と解説の男の子がびっくりした声を出した。
中浦二段は本気が本気で打ち始めたらしく、手が数手進んだだけですぐ逆転してしまった。
解説の男の子達もさすがにプロの手は違うと感服した様子。
最後には中浦二段が大勝して終わったあと司会の学生のインタビューに答えて「東大光速囲碁がなかなか強いんでびっくりしました」と答えていた。
しかし実際の所は「所詮コンピューターはこの程度」と思っているのが顔に出て、長崎君はひどくがっかりした様子だった。
対局が済むと五月祭も終了する時刻になったらしく、部屋の片付けが一斉に始まった。
男の子達が大勢で手分けして、部屋の展示や飾り付けを取り外すと、いらなくなったポスターを大きなビニールのゴミ袋に入れて部屋の隅に積み上げた。
机の上に並べられたの碁盤や碁石を集めて何度も数を確かめては、奧のロッカーにしまっていた。
だいたい教室が片づくと今度は、これから合コンだとかと言って教室にビールが運ばれてきた。
教室の正面の教壇に新聞紙を敷いて、生協で買ってきたお菓子が並べられた。
囲碁部の部長が乾杯の音頭を取るとお待ちかねの打ち上げの合コンが始まった。
合コンとは言っても女性は私と中浦二段とあと女の子が数人だけで、あとは囲碁部の男の子達ばかりだ。
男の子達はみな真面目そうで、せっかくのチャンスだというのに女の子に話し掛ける勇気もない様子で囲碁の話しばかりしてる。
女の子は声を掛けられるのを待ってるのに、つまらなそうな顔で男の子達の話しを聞いていた。
乾杯がすめば中浦二段はすぐに帰るとばかり思っていたけど、中浦二段はほかの東大生の女の子と話し込んでいる様子。
次第にお酒が入ってくると、普段は真面目な東大生の男の子達も大声で奇声を上げて騒ぎ始めた。
女の子達は呆れた顔で男の子達が騒ぎ立てるのを見ているだけ。
旦那も普段はあまりお酒は飲まないようにはしているけど、久しぶりに大学時代に戻った気分ですっかり良い調子。
男の子達はビールを持ってお酌をして回り始めた。私も無理矢理ビールを飲まされて気分が悪くなってしまった。
仕方なく私は合コンの会場の教室を抜け出して廊下に出た。
すぐ隣に控え室らしい小さな部屋を見つけて、長椅子に横になってしばらく休むことにした。
電気を付けずに暗い部屋でしばらく休んでいると隣の教室で男の子達が騒ぐ声がかすかに聞こえてくる。
もうすこし休んだら先に帰らせてもらおうと思って寝ていると、誰かが入ってくる物音がした。
顔を上げると一人は長崎君でその後ろから女流の中浦二段が一緒に入ってきた。
二人は私には気が付かない様子で部屋の奧まで進み、私が寝ているすぐそばに立った。
それからすぐ長崎君が中浦二段に向き直るといきなり「僕と結婚して下さい」と言い出した。
私はびっくりして飛び上がりそうになったが、二人に気づかれては困ると思って息をひそめてじっと我慢した。
中浦二段もいきなりのプロポーズに面食らった様子ですぐには返事の言葉が出ない。
急にそんな事を言い出されても中浦二段は困るだけなのに、どう断るつもりなのかしらと思っていると、中浦二段は少し間を置いてから「そうねえ、あなたの作った囲碁ソフトが私に勝てるようになったら結婚してあげていいわ」とまた訳の分からない事をいいだした。
長崎君はそれを聞いて「ほ、本当ですか」と空に舞い上がったような口調。
「来年の５月祭までには必ず負かすソフトを作ります、そうしたら結婚してくれますね」と長崎君が必死で迫ると「そのときは考えてあげてもいいわ、約束してあげる」と心にもない口調で中浦二段が答えた。
本気で中浦二段がプロポーズにいい返事をしてるとも思えないけど、長崎君はすっかり喜んだ顔。
今度は長崎君の方がすぐには次の言葉がでないで立ち尽くしたまま。
中浦二段は「じゃあ、今日はどうもありがとうございました、とっても楽しかったです」と手短に言ってこれで話しは済んだという顔。
軽く会釈をしてすぐに振り返り、足早に部屋から出て行ってしまった。
長崎君も慌てて「駅まで送ります」と言って中浦二段の後を追って部屋から出ていった。
二人が部屋から出て行った後、私は今目の前で起きた出来事を呆気にとられて思い返した。
いきなりのプロポーズなんか良くできる物、それもこんな所でとは思った物の学生時代の合コンではよくある事と思い直した。
そう言えば学生の頃には合コンの時、あれこれ噂になるような出来事はしょっちゅうあったし、みんなそれを期待して合コンに集まったもの。
今日の長崎君と中浦二段の事も誰にも言わずに黙っておこうと心に決めた。
気分が少しよくなってから教室に戻って見ると、お酒に酔った男の子達は相変わらずの大騒ぎをしている。
女の子達はもうあきれ果てて帰ってしまったようで誰もいない。
旦那はまだこのあと二次会に出るとか言うので、私は先に帰ることにして地下鉄の駅まで急いだ。
大学の構内はもう薄暗くなっていたが、まだ男の子達や女の子達が大勢あちこちに固まっていた。
点呼をとる声も聞こえていて、人数がまとまり次第合コンの会場に出発をするのは私がまだ学生の時と同じ。
地下鉄の駅までの大通りも、合コンのためまとまって移動する学生達でまるで朝のラッシュアワー並の混雑。
大勢の学生の間に交ざって角を曲がって駅までの細い道へ入ると地下鉄の駅前では切符を買う行列ができている。
ちょうど曲がり角のすぐ先の喫茶店の前で中学生くらいの女の子が男の子達に囲まれていた。
女の子は必死で帰らせて下さいと泣き出しそうな顔をしていたが、男の子達はこれから盛り上がるところだからと言いながら回りを取り囲んで逃がさないようにしている。
事情はよく分からないけど、目の前で女の子が困ってるのは確かなよう。
通りがかった学生達は、道を避けて横を通り過ぎるだけで誰も助けようともしない。
女の子が男の子に絡まれてる事よりは、今は自分たちの合コンの方が大事とでも言う顔。
「お前らなにやってるんだ、由香利さんいやがってるだろう」と私のすぐ後ろから突然大きな声がした。
振り返って見ると大声を出したのはさっき中浦二段にプロポーズしてた長崎君だ。
よくよく見ると小柄な女の子はさっきチアリーディングで宙に舞った由香利さんで、男の子達は応援団の男の子達らしい。
長崎君が大声を上げたので、後ろから来た学生達が立ち止まって大勢の人だかりができた。
「放してやれよ、由香利さんいやがってるだろう」ともう一度長崎君が必死に怒鳴りつけると応援団の男の子達は長崎君の気迫に負けたのか、喫茶店の中に引き上げて行った。
由香利さんは小走りに私のすぐ前まで来ると「ありがとうございました」と長崎君に礼を言ってすぐそのまま地下鉄の改札口に走り込んだ。
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